素人さんの為の不動産学校:2023年11月

2023年11月

2023年11月27日

子供がいない夫婦の相続（No.2597)

私に相談がある案件も、時代とともに変わってきました。

最近は、相続相談でも、一般的な相続対策よりも複雑な相続の相談が増えました。

複雑な相続とは・・・具体的には、子供がいない人の相続と、法人の継承絡みの相続案件が増えました。

（新幹線移動中にブログ書いてます！後ろの席の奴が咳き込んでるのでガードしてます。）

今回は、法人継承絡みではなく・・・子供がいない夫婦の相続について書かせていただきたいと思います。

ちょっと複雑なので、小説のような感じにあるかもわかりませんが・・・

それでは・・・子供がいない夫婦の相続について！

相談者は、Kさん　女性　４０歳　（主人公）

登場人物は、①妹さんHさん、②お母様Mさん、③お父様Fさん

④老害母方の叔母Xさん（Mさんの姉）　⑤老害母方の叔母の配偶者の叔父Zさん（XとZは夫婦）

どこから話すと分かりやすいのか・・・・

まずは、私が昔から大変お世話になっていたのは、相談者Kさんのお母様のMさんなんですが、現在は、痴呆症になりまして・・・・相談者のKさんが後見人になるということで手続きをしております。

お母様のMさんは、資産家なので、相談者が後見人にならないと不動産に関する意思決定ができないので、現在、裁判所に後見人の手続きをしているわけです。

その手続き期間中に相談者の父であるFさんが亡くなりまして・・・・
相談者と妹のHさんが葬儀の段取りをしている最中に・・・相談者の叔母さんにあたるXさんから連絡がありました。

叔母さんX　『うちの家を売って、新しいマンションを購入することになったので、売却の印鑑を押してほしいんだけど・・・。後見人の方、どうなってるの？　早くしてね。　購入するマンションの不動産屋から電話を入れさせるね。』

相談者Kさん　『実は、昨日、父が他界いたしまして、今、葬儀の準備をしておりますので、後日、落ち着いてからお話をお聞きさせていただきます。』

叔母さんX　『死んだなんて聞いてないし、元々、お互いに葬儀に出ない取り決めをしていたので、そんなこと言われても知らんし・・・。　名義が半分妹のMについているんだから、あんたが後見人として印鑑ををくれないと困るのよ！　そんなわけで・・・印鑑、いつ押してくれるの？』

相談者Kさん　『あのさ～叔母さん、私の父が昨日、息を引き取って悲しみに暮れる暇もなく、葬儀の用意をしている時に、こちらの状況を無視して自分の要求だけを言ってくる人とは、話したくありませんし・・・、私の母の名義が半分ある家の売却を勝手に決めてきて、当たり前のように印鑑を教えてって、印鑑なんか押すわけないでしょ！　もう、しばらく電話しないでください。』

叔母さんX　『次に住むマンションの契約をしちゃったから、そういうわけにはいかないのよ！　私が住んでいる家だから私が売っても問題ないでしょ！　お金は、半分あげるからいいじゃない！』

相談者Kさん　『そういう問題ではありません。　母の件は、名古屋の近藤社長にお任せしてあるので、近藤社長と相談します。　それにしても、今、父の葬儀も終わっていないので、後日にしてください。』

叔母さんX　『ずるずる延ばすんだったら・・・購入する方のマンションの手付金が払ってあって、今の家を売ったお金で払うので、解約になったら、あなたが責任取りなさいよ！』

相談者Kさん　『延ばすも延ばさないも、私には関係ありませんし、後見人の手続きも今、まだ最中なので、いつ後見人になれるかもわかりません！　』

叔母さんX　『えっ！　後見人の手続きをするって言ってたの、だいぶ前じゃない？』

相談者Kさん　『私も忙しいから、揃える書類とか多くて時間がかかってるのよ！　とにかく、近藤社長に相談します。　まずは、父の葬儀を片付けさせてください！』

叔母さんX　『私たち夫婦は、いかないわよ！　』

相談者Kさん　『結構です。最初から呼ぶつもりもないので・・・。　それでは失礼します。』

ことの発端は、こんな感じでして・・・、私のところに相談があったわけです。

さて、ここまで書いたところで・・・話の途中ですが・・・。

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ありがとうございます・・・

ブログの続きです。

私としては・・・・。

お父様の件のお悔やみを申し上げた後・・・
今回の売却の件は、Kさんが、お母様Mの後見人になった際には、叔母さんXとお母様Mの共有名義の不動産は売却した方が良いとアドバイスをしました。

１つの不動産を、中が悪い親戚と共有していることは良いことではないので・・・売却した方がいいので、絶対に売却をするべき！だとアドバイスをしました。

但し、今回、叔母さんXと、その亭主のZは、印鑑を押してくれと頼んできているわけなので・・・ぐちゃぐちゃした身内の財産関係を整理するのに、絶好の機会なので・・・
Kさんが印鑑を押す条件として、こちらの要望も伝えるように、アドバイスしました。

要するに、都合よく、叔母さん夫婦の言う通りにする必要はないので、こっちも条件をつけていきましょう！ということです。

その条件は・・・・。

叔母さんXと、叔父さんZには、子供がいないので・・・
叔母さんが先に死んだら、叔父さん側に財産が言ってしまいます。
叔父さんが先に死んだら、Kさん側に財産が相続されます。

私としては、クライアント側に、少しでも多くの財産を相続させることと、納税を少なくするような相続対策ができるようにするのが仕事なので・・・相談者のKさんに一つの案を授けました。

相談者のKさん、もしくは、相談者の妹のHさんを、叔母さん夫婦の養子にするのが手っ取り早いので・・・今回、Kさんを養子にするという事を条件に印鑑を押すと伝えるように、相談者に指示をしました。

私　『Kさん、悪いけど・・・叔母さん夫婦の養子になってよ！』

相談者Kさん　『え～～～　え～～～～　え～～～～　ど、どういう事ですか？　今までも色々あったし、父が死んだ時に、こんな電話をしてくる老害の叔母さん夫婦ですよ！　絶対に嫌ですよ！』

私　『嫌いとか、嫌とか・・・どうでもよくないですか？　Kさんのお婆ちゃん、つまり、お母様のお母様は、姉妹に財産を分けたわけです・・・。　それが、叔母様Xが、叔父様Zより先に死んだら、叔父様Zの方に、お婆ちゃんの財産が行ってしまうんですよ！　由緒正しき家柄の財産が・・・ズコーンって・・・・。　とは言っても、今となっては、叔母さんも今の家がメインですが、今の家の価値が、とんでもない価格なので・・・、その売却代金の半分とは言っても相当な額になります。
それに、養子になったら、将来、叔母さん夫婦が住むマンションも、もらえますよ！』

相談者Kさん　『なるほど・・・。　でも、養子になったら、面倒も見なくてはいけなくなりませんか？　父の葬儀にケチをつけるような老害夫婦ですよ！　そんな人の面倒は見れません。』

私　『そうかな～！　お金で割り切ったら・・・介護w まあ、それに、なんだかんだ身内だから見てあげて欲しいですけど・・・そこは、私が関与するところではございませんので・・・。　老人ホームでもなんでも・・・。　でも、今度、叔母さん夫婦が買うマンションと財産・・・あとは、叔父さんの資産・・・東京都内の一等地の最上階のマンションを賃貸しているので、その所有権も・・・、養子縁組プラス遺言で・・・叔母さん夫婦の財産を全部、もらう代わりに看取ってあげるってことで、どうでしょう？』

相談者Kさん　『そ、そういう事ですか・・・。　考えたこともなかったですけど・・・。　介護の代金が、数億円ってことですよね。　妹と相談します。』

私　『話の流れで、こうなりましたけど・・・。　まずは、お父様を天国に送ってあげてください・・・！　まあ、落ち着いてから話しましょう。　でもね、Kさんのお母様は、呆けちゃう前に、姉には、子供がいないので、将来は、KとHに、母の財産が戻ってくると喜んでましたよ。　私が、先に、Zが亡くなれば！って行っておきましたけどね・・・・。』

相談者Kさん　『私も、母から何度か聞かされたことがあります！　近藤社長の言う通り、まずは、父の葬儀ですので、しっかりやり切ります！　　来週には、落ち着くと思いますので、またご連絡させていただきます。』

そんなわけで・・・・一旦、落ち着き・・・まずは相談者Kのお父様Fの葬儀を済ませてから・・・ということになったわけですが・・・・。

翌日・・・。

葬儀が終わっていないのに、Kさんの叔母さんXから、LINEのラッシュ・・・

お渡しの方に連絡をするように伝えてもらったら・・今度は、私と、Kさん両方に、印鑑を押してください！のラッシュ攻撃・・・・

葬儀が終わるまで無視しましょう！ということにしたら・・・・・

今度は、Kの叔母さんのXの旦那Zから、電話があり・・・私に対して、印鑑を押すのが当たり前的な発言を強い口調で仰ったので・・・・。

優しく対応しながらなだめて・・・感情の昂りが落ち着いたところで・・・・

私　『Kさんが、母Mの後見人になったとしても、今回の自宅の売却の印鑑を押すか押さないかは、Kさん次第なので・・・まあ、別に、今の家に住んでたらいいじゃないですか！　次のマンションの違約金なんて、あなたが持っている東京のマンションの賃料収入を考えると、そんな痛くないでしょう。』

相談者の義理の叔父さんZ　『あんた人の金だからそんなことが言えんるんだ！　今回の事と関係ないだろう！　　それに、今回購入するマンションは、自分たちが住むマンションなんだし、今の家を売却しないと全額は払えないんだ！　こっちの身になって考くれよ！』

私　『すみませんでした。　わかりました。　じゃあ、Zさんの立場になって考えますけど・・・・Kさん、Hさんを養子に迎えられたらどうでしょうか？　その代わり、あなたたち子なし夫婦の面倒を見てもらう！　老い先なんてどうなるか分からない中で、お一人になってから急に倒れられて・・・その後、どんな処置や扱いを受けるか・・・どうなんでしょうね～！　養子にする代わりに、きちっと最後まで看取っていただく！　そんな契約で、養子にしたらどうですか？』

解説！
私としては、相談者の方に一方的に、頼み事してくるばかりじゃなくて、相談者たちと仲良くして、自分たち夫婦の面倒も見てもらえるように持っていきたいわけです。

（↑落ち葉の季節！）

続き
↓

相談者の義理の叔父さんZ　『何をわけのわからん事を言ってるんだ！　養子って、今回の話と関係ないだろう！　売却の印鑑を、Mさんの後見人として押すだけの事でしょう！　お金だって、持分割合で分けるのだから、大金が転がり込むわけだし何が不服なんだ！』

私　『う～ん！　お前のキチガイ嫁が・・・お前もか・・・w Kさんのお父様が亡くなった翌日に、LINEや電話で、ガチャガチャやるから、頑なに協力しないってなったんだろ！　　それを、快く印鑑を押させるには、それ相当の土産話が必要なんだわw 俺はな～・・・お前がKさんを養子にしたら、ちゃんと面倒を見たらなあかんぞ！って、身内が仲良くできる方向に持っていこうとしとるんだ！　それを、今日も、こうやってガチャガチャ掻き回しやがって・・・！　葬儀が終わってからだって言っとるだろ！』

相談者の義理の叔父さんZ　『そんなこと言うけど、買うマンションの不動産屋から、どうなりましたか？　解約したら違約金がかかりますよ！って電話がかかってくるから仕方ないだろう！　そもそも、俺から見ると、嫁の兄弟の旦那が死んだだけだから、普段から顔合わせているわけでもないし、そんなもん知らんわ！』

私　『それ、お前の都合な！　・・・・。　てめーの都合で地球は回ってね～ぞ！　・・・・まあいいわ！　お前みたいなやつと話をしとってもラチがあかん・・・その不動産屋に、俺に電話してこいって言っといて・・・俺が、全部説明したるわw 俺の電話番号教えていいから・・・電話させろ！』

相談者の義理の叔父さんZ　『あんた、もう少し穏やかに話せんのか？　客商売だし、社長さんなんだろ？　お前とか、てめーとか、そういう言葉を使ったらダメだぞ！　お里が知れる！』

私　『お里では、こんな話し方するわけね～だろ～w お客様相手や普通の人が相手なら、こんな言い方しないわw キチガイ相手だから仕方ないだろw w w 不動産屋さんとは、ちゃんと親切丁寧に対応させていただきますのでご安心ください。　そいつもキチガイだったら、同じかもしれんけど・・・多分、話せば分かると思うけどな～！　状況は、不動産屋に説明するとして・・・、Kさんたちを養子にする件は考えといてくださいね！　じゃないと、印鑑押さないと思うよ！　　もう、ずっと、そこに住んどけばいいじゃんw』

相談者の義理の叔父さんZ　『何が不服なんだ！　　印鑑押すだけで大金が転がり込んでくるんだから、むしろ、叔母さん叔父さんありがとうの話だろう！　Kさんを養子にまでして、印鑑を押してもらう話じゃないわ！　何を言ってるだ！』

私　『金の問題だけじゃないんだよな～w もういいわ！　　今の家住んどけや・・・・w』

ここで、電話を切らせていただきました。

その後、叔父さんZと、叔母さんXから、猛ラッシュで、何度も電話がありましたが・・・放置！

当然、相談者のKさんも、叔母さん夫婦の連絡は無視！

丸一日放っておいたところで・・・私から電話をしました。

私　『Zさんも、しつこいな～w 根負けして電話しちゃいました。　　ところで、Kさん、Hさんを養子縁組する件は、どうなりましたか・・・・・。』

相談者の義理の叔父さんZ　『その件だが・・・私もあの後考えて・・・、俺は、嫁のXと離婚することにした！　離婚してから、嫁のXが、遺言をKさんたちに書くか養子にすればいい！　俺の養子には、しない！　　嫁の財産の話だから、俺が離婚すれば、それでいいだろ！』

私　『ええええええええ～～～～～！　離婚って、４０年以上連れ添ってきて、なんで離婚・・・・離婚してまで・・・養子にしたくないということですか・・・。』

相談者の義理の叔父さんZ　『そうだな～！　今の財産の大半は俺名義だ！　嫁Xの財産は、ほとんど無くなった！　俺たちには、子供がないから、養子縁組したら、いずれ財産は全部、相談者K姉妹のものになる！　それが嫌だから養子縁組はしない！　今回売却する家の名義以外、財産が無くなった嫁のXに養子縁組してもらえばそれでいいだろう！　俺の預金と東京のマンションは誰にも渡さん！』

私　『はい！　質問・・・！　あなたの嫁のXさんには、数億円の現金があったはずですが・・・、それは。どこに行ってしまったんですか？　あなたのマンション購入に、絶対にお金が入っているはずですが・・・・。』

相談者の義理の叔父さんZ　『そんな昔のことは忘れた！　嫁の金なんか入ってないぞ！　とにかく、俺の預金と不動産は俺のものだから嫁のXと別れるから、あとは、そっちで面倒見てやってくれ！』

私　『う～ん・・・。　まあ、そういう話だと、相談者は、Xさんの家の売却の印鑑押さないだけなので、話は振り出しですね！』

相談者の義理の叔父さんZ　『家を売った金は、必要だから、それは困る！』

私　『じゃあ、もう一つ方法がある！　　今のマンションの名義の６０％を、あんたの嫁の名義に変えろ！　その上で、離婚すればいいじゃね～か！　そして、あんたの嫁のXと、相談者Kさんを養子縁組させるわ！　　どう？　　それで手を打ったるわw』

相談者の義理の叔父さんZ　『６０％の名義？？？　６０％の根拠は？』

私　『あんたのマンションの新築時の価格に対して・・・、あんたの嫁の持ってた現金！　つまり、消えた金！　　こっちは、裏取ってあるんだよ！　地味な老夫婦が普通に生活していて・・・急に、金が消えるか？　消えないよな！　あんたがマンションを購入した日の少し前に、引き出されてるんだよ！　それが、売買代金の６０％の根拠だ！　その当時の、あんたの通帳見せてよ！』

相談者の義理の叔父さんZ　『そんなものは、見せる必要はないし、見せたところで、嫁Xから入金なんてされてない！』

私　『わざわざ贈与の証拠が残るようなことはしないよな！　　現金は、直接、マンション屋に現金で払ったとか、そういうオチなんだろ？　まあいいわ・・・もう少し頭を整理して、もう一回返事ちょうだい！　今の状態でKさん姉妹を養子縁組するか、マンションの６０％を奥さんXの名義に変えて、離婚するか・・・。今更、名義を６０％変更すると、それはそれで面倒臭いぞw まあ考えといてください！』

ここで、叔父さんZとの電話は終わりまして・・・・。

その日の夜・・・
相談者Kの叔母さんにあたる、XさんからLINEが来ました。

離婚はしません。

この一行のみ・・・・！

私は、返信をせずに既読スルー！

まあ、X叔母さんにしてみたら、Z叔父さんと４０年以上連れ添って・・・親から想像した財産を全部、取られて・・・マンションの名義もつけてもらえず・・・病気の体を抱えて、Z叔父さんと離婚されたら、人生絶望的ですよね！

かといって・・・
相談者のKさん姉妹にしてみると、お母さんMの面倒はみていくにしても・・・、実の父の葬儀に無神経な対応をしてくるような叔母さんXの面倒まで無償でみていくのは嫌でしょうし・・・
これが、有料というか、財産を残してくれるならまだしも、少ない財産で面倒をみていくのはリスクが高すぎるわけで・・・
この話は、決着までもう少し時間がかかりそうです。

しかし、まあ、なんというか・・・
Kの叔父さんZの、養子縁組するぐらいなら、嫁Xと離婚する！という発想は予想してなかったので驚きました。

相談者Kの叔父さんZは、マンションというか、東京の億ション・・・子供もいないのに、先々、どうするつもりなんでしょうね～w

普段は、大人しい老夫婦だけに、Zに女や隠し子がいるとは思えないし・・・残す家族もいないのだから、M姉妹と仲良くして面倒をみてもらう方向に進むのがベストだと思うのですが・・・

まあ、どうなるのか・・・まだ未定状態です。

皆さん、不動産業者って、家や土地を売ったり買ったりのお仕事だと、ほわっと思っているのだと思いますが・・・大金には欲が絡むので、意外とゴタゴタするし大変なんですよ～w

ということで、長文になってしまいましたが・・・２回に分ければよかったかな？
本日はここまでとさせていただきます。

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